アカデミック・ハラスメントとその周辺

アカハラに遭わないために/遭ってしまったら学生はどうするべきか、アカハラと言われないために教員はどうするべきか、アカハラに対して大学はどうするべきかなど。  

申立書テンプレート

0. テンプレートについて

 大学/研究機関にアカデミック・ハラスメントを申立てるに当たっては、ほとんどの場合申立てた側が、申立内容を自分で記入する必要が有ります。たとえ、そのアカハラがどれほど悪質で客観的に見ておかしくても、大学/研究機関は申立をする側が申立書を提出するまでは動くことはありません。僕が申立書を書いた際は、メインの書類に経緯,ハラスメントの分類,申立内容のテンプレート,および申立内容を記載し、さらに関係者リストとメール等の参考資料を添付しました。申立書を大学/研究機関に提出しようと考えている方の参考になればと思い、このページでは僕の書いたテンプレートと記入例を掲載します。

 僕の場合、記載した内容と添付資料の数が100近かったため、記載内容と添付資料について申立書のテンプレートを作成し通し番号を振って管理出来るようにしました。さらに個々の事例についてどういった内容のハラスメントであるかを大学のハラスメント規定に従い、例えばn番は身体接触を伴うセクハラである等の形で明示しました(ハラスメント規定参考: アカデミックハラスメントのタイプ分け - アカデミック・ハラスメントを巡って)。

 

1. 申立内容テンプレート

申立内容凡例

番号

日時yyyy/mm/dd 

状況: 

相手: 

関係者: 

添付資料番号: 

出来事: 

出来事を受けて感じたこと及びそれによる不利益:

 

テンプレートに示してある項目の詳細は以下の通り。

番号: 申立内容の通し番号

状況: その内容が起こった場所や前後関係

相手: 記載内容のハラスメントの対象となった人物(自分に対して以外のハラスメントも多く記載したため)

関係者: 上記相手を含む記載内容のハラスメントを見聞きした人物(調査の際の利便性の為)

添付資料番号: 別資料として添付したメール画像等の通し番号

出来事: メインとなるハラスメントの内容。極力形容詞は廃し客観的な内容を心がける

出来事を受けて感じたこと及びそれによる不利益: 上記の出来事に対しての主観的な内容(気持ち的にはこちらがメイン)

 最後の二つの区別は、出来事の客観性を担保した上で、そのときの僕の感情を尊重して研究室の実情を調査者に知ってもらえた方がいいという、ハラスメント相談室の方の助言によります。非常にありがたいアドバイスでした。

 

2. テンプレートを元にした記載例

・名前は適宜アルファベットまたは白抜き

・添付資料のメールについては以下参考

(・https://twitter.com/giugno_june/status/866584427274551296

https://twitter.com/s51110119182114/status/835737876448960512)

 

番号 2

日時: 2014/01/31前後及び申立人研究室配属後

状況: 研究室のメール連絡、及び申立相手教授室における卒業論文指導において

相手:X(学部4年)

関係者: Z助教授, a秘書,    現     大助教授 以上Cc,

       修士1年(当時)他 以上Bcc

添付資料番号:1~3, 47~55

出来事:

学部4年(当時)だったXの卒業論文指導において

態度が慇懃無礼なためこれ以上指導をしないと本人の前で罵倒,恫喝を行った。
再度指導を求めて教授室に訪れた当該学生に対して、指導を行わないといったのに食い下がってきたお前の根性は女々しいと伝えると称して”女々しくて”(ゴールデンボンバー)を繰り返し掛け続け、無視をした。また、指導放棄を行ったことを研究室(Cc:Z助教授,a秘書等,Bcc:学生)にメール(資料1~3)で送信した。

 また、当該学生が、   大学大学院の    研究室を受験する際に、   教授に対して当該学生を落とせというメールを送った事を公言している。(資料47~55は申立相手方がそのメールを一部改変引用した上で研究室学生に注意喚起として送ったもの。メール自体は未掲載)

 さらに博士学生の出来が悪いという揶揄を、研究室の他の学生に送ったメール(資料2下部)中でしている。

出来事を受けて感じたこと及びそれによる不利益:

申立人はこの当時研究室に配属されていなかったため、この際のメールは直に受け取っておらず、この出来事については又聞きしたのみである。配属後飲み会の席で、ふと海外の大学院に行くのも進路としては良いのではないかと発言した際、そんな事は申立相手方の耳に入ると大変だから言うな、考えないほうが良いなどと周囲から血相を変えて言われ不思議に思っていた。のちにこの画像のメールを見て、この件についての話を聞いて納得するとともに抑えつけられるような不快な気分を受けた。この研究室ではうかつなことは言えないという印象を持った。またこれに関連して秘書のaさんが申立相手方にXさんに対する攻撃がやりすぎだと泣いて言っていた話や、他の学生数人(R、O等)が外部大学院進学について申立相手方教授に相談に言った際まともに相談に乗ってもらえず諦めた話などを聞いた。

資料には未掲載だが、他大学の教授(   教授)に対してXさんを落とせという内容のメールを送っており、これは   大学就業通則の 条に反する重大な件だと考えている。この件に関して関係した教員が口を噤んでいることも全く理解できない。このメールに関してはaさんとCさん,Eさんから申立相手方からのメールで受け取ったと聞いた。自分の知る限り現研究室メンバーの中でこのメールの存在を直接知っているのは前記の4人のほかZ助教と  さんのみである。